俊友会オケで、マーラーの1番を弾くのに参照しようと思っていたバーンスタインの交響曲であるが、しばらく廃盤状態だったようだ。演奏会の少し前に、
外盤で復活しているのをゲット。
国内盤は年末発売のうえ、amazon.co.jpでは1番1曲で6300円の表記だが、これはなんぼなんでも1~3番が入った2枚組の価格であろう。全集はアマゾンでは出ていないようだ(33000円もする2002年発売の全集が残っているが)が、
HMVには外盤がのっている。外盤(amazon.comで144ドルである)は、リージョンコードが0(ワールドワイド)なので、日本用DVDプレイヤーでも問題なくかかる。リーフレットが日本語になっているのだけに、プレミアムを払う価値はない。
で、これからこの偉大なDVD全集について見おわるたんびに感想を書いてゆこうと思う。左上の写真は全集のボックス(中身は、1~3番、4~6番、7~8番、9~10番と大地の歌、それに5番と大地のリハーサル(これは全集のみボーナス)に分かれている)の写真である。
まずは、1番から。この曲は、昔~昔、クラシック音楽初心者だったこと、ほとんどの題名「巨人」が格好よかったというだけで(「題名買い」)、RCA廉価版(昔は1000円盤といったな)のラインスドルフとボストン響のLPを買った記憶がある。なんやら、わけがわからない曲だが、最後のホルンの咆哮だけは格好よい(当時はブラスバンド少年だったんで)と思ったものだ。もうひとつ記憶に残っているのが、ジャケットの表紙にのっていた、
ゴヤの絵「巨人」である。また、『「マーラーの巨人」か、「巨人のマーラー」か』というお下品なジョークもありましたな。(ついでに、Max Maraというブランド名を、「極大マラ」と訳した奴がいました・・・失礼しました)
バーンスタイン指揮ウィーン・フィル
マーラー 交響曲第1番「巨人」
演奏はニューイヤー・コンサートで見慣れた、ムジークフェラインでなく、コンツェルトハウス(74年10月)。まだ若さが残るバーンスタインの演奏は、NYPとの60年録音(これは名演)に比べるとややおとなし目に感じるのは、まだヨーロッパ進出して間もないころで、
VPOの猛者連に対して、少し遠慮しているのかもしれない。彼の指揮はわかりにくいという印象があったのだが、実際に見てみるとすっきりと弾きやすそうな棒である。テンポはあまりゆらさない、すっきりとした演奏である。
VPOの奏者の、ウィーン風楽器がよく見れるのも、大変面白い。アラビアの蛇遣いのようなネックにたんこぶがある、ウィンナ・オーボエとか、いかにも吹きにくそうなウィンナ・ホルンとか。次の第二番は、ロンドンのオケとの演奏なので、その対比が興味深い。
映像のほう(全集を通してハンフリー・バートンが監督)は、当時の流行なのか、ユニテルの趣味なのか、楽器群をオブジェのように捉えたり、
奏者のクローズアップの切替が頻繁で少々わずらわしい。オーケストラの全景シーンが極めて少ないのも、意図的なのか。ただ、同時期のカラヤンの映像作品に比べると遥かに自然である。
第3楽章冒頭のコントラバスソロは、ピッチは不安定、テンポは走り気味の、
なんとも下手糞な演奏でいただけない。堤俊作先生いわく、コントラバス奏者にとっては、実に嫌な音域のフレーズで、彼が本番やったときにも、前後不覚になるほど上がってしまったそうである。
終楽章での、ホルン群(4thTbと4thTpを増強)のスタンドアップはどうもやっていなさそうである。これは、70年代のスタイルなのか、VPOに対する遠慮なのかはよくわからない。